言わずと知れた、映画「砂の器」、
悲劇の作曲家・和賀英良が作曲した(ことになっている)
壮大で悲しい交響曲です。
最初の数音を耳にしただけで
映画の後半、約40分ぐらいの親子の巡礼のシーンが鮮やかに蘇ります。

組曲「宿命」
個人的には「砂の器」は、
やはり初代の「丹波哲郎・加藤剛」バージョンが最高ですね。
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あと、テレビ版の「田中邦衛・佐藤浩市」バージョンも小ぶりだけど良かったな。
廃校になった校舎の一室で、
佐藤浩市(和賀英良)に亡き父の写真を見せながら
「父親だろっ! ヒデオっ!!」と熱く迫る
田中邦衛(今西刑事)の演技が胸を打つ。
あの一言は、
『北の国から』の「子供がまだ食っとるでしょうが!!」に匹敵します。
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砂の器
後は、いろいろ見たけど、「うーん」って感じ。
特に「渡辺謙・中居正広」バージョンや、
「小林薫(というよりは玉木宏)・佐々木蔵之介」バージョンは、
なんかヘンに設定がオリジナルと変えられちゃってるところがあって、
それが功を奏しているかといえば、
そうともいえないような気がするので、
悪くはないんだけど(見ている時は夢中になって見るんだけど)、
鑑賞後の余韻にあまりひたれないというか。
ま、現代風にアレンジするとこうなっちゃうのかなと、
仕方ない気もするのですが。
もはや平成の世にハンセン氏病(ライ病)といっても、
そして、それに伴う「差別」社会の暗黒面といっても、
視聴者の多くは実感わかなくなっているのでしょうね。