言葉ではなく、テナーサックスの音にたっぷり込めて発散する男一匹サックス野郎。ビリー・ハーパー。
熱意は分かるけど、あまりにも音が一本調子?
曲によっては、途中でパカポコ鳴りだすカウベルがダサい?
アドリブのところどころのクネクネフレーズがクドい?
ゴリゴリ、ゴツゴツ、“引き”の美学っていうの、アナタ知らないの?
そんな声が色々と聞こえてきそうです。
でも、いいんです。過剰な愛情表現は、時として暑苦しくて鬱陶しいものなのです。
あとは、受け手がどう受け止めるか、にかかってるのですね。
手をいっぱいに広げて、ド根性サックス野郎の熱意をガシッ!と受け止めてあげようではありませんか。
だって、これほどまでに真摯で気合の入った演奏って、滅多にありませんですぜ。
なんだか、よーわからんけど、なんでそこまで頑張ってるのか細かい事情はよー分からんけど、コイツ、結構ガンバッてるじゃない。やるじゃないか、骨があるねぇ、漢(おとこ)だねぇ、惚れた!気に入った!
きっと、初めて彼を聴いた人の8割はそう思ってくれるに違いない。と、勝手に想像しています。
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