プラモ屋さんにプラモデルを買いに行くたびに、プラカラー(塗料)や、モデリングブラシ(筆)、それに耐水ペーパーなども「ついで買い」をするので、未使用のプラモ備品がたまる一方の今日この頃。
その中でも、どういうわけかラッカー系塗料、ミスターカラーのオレンジをどういうわけか何瓶も買ってしまっていたようで、数えてみたら4〜5個もストックされていることに気付いたのが1年ほど前のこと。
オレンジって、それほど使い道がないので「どうしたものか。オレンジ色で塗るプラモを作りまくろうかな?」などと最初は思い悩んだのですが、あれこれ試行錯誤を重ねているうちに、今ではマホガニーやRLMグレー、つや消しイエローとともに、私の中ではオレンジって結構便利な塗料として位置付けられています。
まず、下塗りに使える。
多くのモデラーは隠ぺい力の強い塗料としてマホガニーを愛用していることと思います。
私もマホガニーは下地用としてよく使う大好きな色です。
しかし、オレンジにブラックを混ぜると、マホガニー並みの隠ぺい力を発揮するんですね。
黒1、オレンジ3、フラットベース2ぐらいの比率で塗料を混合し(実際はもっと適当だけど)、下地塗装をほどこすと、まるでマホガニーを下塗りしたような効果が出るのです。
マホガニーとオリーブドラブの中間的な色味。
なぜか、ほんのり緑色の要素が出てくるんですね。
これは、クレオスの塗料に含まれている成分同士が混合することによって、緑的な色味が生まれたのかもしれませんし、横山宏センセが名著『横山宏Ma.K.モデリングブック』に、ひとくちに黒といっても様々な色味の要素があるというようなことを書かれているとおり、クレオスカラーのブラックには緑の要素が混ざっているからなのかもしれません。
とにもかくにも、乾くと茶色的であり、緑的なニュアンスも醸し出す色味になるので、AFV的なニュアンスたっぷりのカッコいい下地になります。
これがマホガニー単色での下地塗装だと、チョコレートで作った造形物のようにも見えてしまい、それはそれでオイシそうではあるのですが、オレンジとブラックが混ざった下地塗装がほどこされたプラモは、マホガニーよりもより一層グリージーなニュアンスが出るので、いかにもメカメカした鉄のカタマリに見えるので、下地塗装備だけでもカッコよく見えます。
これに色を塗り重ねていくわけですが、マホガニーを下地塗装した時と同様の深みのある色合いを出せます。
まだまだオレンジの用途はあります。
油汚れの表現。
オレンジにグリーン系の色、もしくはブラックを少量加えるだけで、油汚れの表現が出来るので、たとえば、リベットなどからタラ〜っとオイルが垂れている表現などに使うとグー!
以前は、クリアオレンジにフラットベース(つや消し剤)を混ぜて使うことが多かったのですが、オレンジでも十分に薄さの加減や色味の加減はつけられるということに使っているうちに気づきました。
さらに、サビの表現。
レッドブラウンを混ぜれば赤サビ的な色彩になりますし、マホガニーやブラウンを混ぜると腐食と経年劣化の進んだ金属のサビの表現にも使えます。
さらに、つや消しレッドを混ぜたりすると、より過激でビビットな錆表現になります。
また、色調の変化にも重宝しています。
ノッペリとした面の部分にアクセント的な色調の変化が欲しいときは、私の場合、つや消しのイエローや、ミドルストーンを混ぜてドライブラシをしたり、色調に変化をもたらしていましたが、色によっては、基本色にオレンジを混ぜても面白い効果を生み出せます。
災い転じて福となすというと大袈裟ですが、このようにオレンジの塗料を余らせてしまった結果、なんとかオレンジを活かそうと試行錯誤をしているうちに、オレンジって結構使える色なんだということに気づき、今では、あれだけ余っていたオレンジこそが、次の「ついで買い」の際に買い足すべき塗料の筆頭となってるのです。
P.S.
あ、そうそう思い出した。
なぜオレンジをたくさん買ったのかというと、昔、エヴァの零号機やジェットモグラを作っていたからだ。
でも、結局、途中で飽きてしまい、制作中断。塗らずじまいだったので、いつのまにかオレンジのストックがたまってしまっていたんだね。