たまたまテレビをつけたら「特ダネ!」がやっていて、
本田望結(ほんだ・みゆ)ちゃん
谷花音(たに・かのん)ちゃん
小林星蘭(こばやし・せいらん)ちゃん
ら子役の特集をやっていました。
本田望結ちゃんは『さよならぼくたちのようちえん』や『家政婦のミタ』の出演などで、最近注目されている子で、顔を見れば「あ、あの子ね!」となると方も多いんじゃないかと思います。
谷花音ちゃんは、若い頃の安達祐実が(家なき子の頃)をもう少し可愛くした感じかな。
お稽古のシーンとか、本番収録前の取材映像が放映されていましたが、皆かわいいですね(笑)。
演技の先生のインタビューによると、最近の子供たちはレベルアップをしているのだとか。
昔は何日もかかる教材も、最近の子どものレベルだと「一回で終わり!」なこともあるんですって。
子供たちの「泣くのは簡単。それより出てくる涙を抑えるほうが難しい」という言葉が印象的でした。
ステージママという言葉もあるように、少し前までは親主導型のお母さんのほうが「ほら、頑張りなさい!」な子役が多いような気がしました。
私も以前、CMの仕事に携わっていた頃、子役のオーディションの際は、子供を連れてやってくるお母さんたちの一生懸命さというか気迫にはものすごいものを感じていました。
でも今はそうではない模様。
子供にとって演技おお稽古は、それこそピアノやダンスや英会話と同等の「お稽古」のひとつにしか過ぎないようで、むしろ子供がお母さんの手を引っ張って「お稽古に行こう!」なのだそうです。
理由は楽しいから。
むしろお母さんのほうが「勉強しないで大丈夫?」「ちゃんと勉強しないと演技のお稽古やめさせちゃうわよ!」なのだそうです。
ふーん、時代も変わってきましたね。
何がなんでも芸能界!
何がなんでも女優を目指す!
というハングリーさが、今回の特集をみてもあまり感じられません。
今の時代っぽいな、と思いました。
それは私自身にもそのようなところがあって、
たとえば私はジャズはけっこう好きなのですが(なにせジャズのラジオ番組をやっていたほどですから)、だからといって「なにがなんでもジャズ!」ってほどの暑苦しい気持ち温度というものは、きっと私より年上の人たちよりはないと思います。
私が生まれた時には、すでにジョン・コルトレーンが亡くなっていますが、コルトレーン在命中に既にジャズを聴き、今なおジャズを聴かれている方のジャズへの思い入れの温度はかなり違う。
コルトレーンは彼らにとっては「神」なのかもしれませんが、私をふくめ、きっとコルトレーンをリアルタイムで経験していない音楽ファンからしてみれば、コルトレーンの音楽は「カッコいい音楽のひとつ」「刺激的な音楽のひとつ」でしかないんですね。
だって、コルトレーン以外にもたくさんの「カッコいい音楽」「刺激的な音楽」に触れてますから。
それは、べつにジャズにおけるコルトレーンだけにかぎらず、ロックにおけるビートルズやストーンズ世代と、若者の違いにもいえるかもしれません。
情報が少なく、ゆえに選択肢が少ないゆえに「これしかない!」と意識のエネルギーをひとつの対象にフォーカスできた時代の若者が、かつてのビートルズ&コルトレーン世代。
そのいっぽうで、情報過多で、目の前に並ぶ選択肢が多いゆえに逆にその多くがフラットかつ等価で、「これもいいし、あれもいい。これにもあれにも、それぞれの良さがある」と考える我々の世代。
これは個人の資質というよりも、育ってきた時代背景と享受する情報量の違いから生ずるものでしょう。
たとえば昔の人にとってコルトレーンは「神」だったかもしれませんが、
今の時代の「神」はAKBだったりしますから(笑)。
しかも「神」という言葉のニュアンス、重さもまるで違っており、
今は「神」じゃなくて「ネ申」ですからね(笑)。
この感覚、お年寄りの方からしてみれば(ま、私もそろそろお年寄りの部類ですけど)、薄っぺらで軽くてバカみたいに思えるかもしれませんが、でも、私は、重さがなくて薄っぺらかもしれませんが、そんな今の世の中、嫌いではありません。
てか、むしろ好きです(笑)。