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2009年10月19日

セシル・テイラーの『コンキスタドール』

ピアニスト、セシル・テイラー。

彼の音楽は、正直言って、よく分からない“謎”が多いんだけれども、逆にそこが気になってしまい、私にとっては常に気になるピアニストの一人だ。


彼の強靭なピアノから発散されるサウンドのインパクトと、知的な雰囲気に惹かれ、折りに触れてセシル・テイラーのアルバムを買い集めている私。

彼が構築&破壊している音楽の内容は、きっと、すごく複雑で難解なのだろうけど、サウンドの「波動」を「大きく捉えて」聴けば、難しいことなんて考えないでいいのさ!と開き直って聴いている。

しかし、そんな私でも、初めて聴いた瞬間に、背筋が凍るほどゾクゾクとした興奮が全身を襲い、うぉ〜!!すげぇ〜!!!と、唸ってしまったアルバムがある。

それは、ブルー・ノートの『コンキスタドール』です。





イントロのピアノの戦慄、遅れて続くホーン陣。

いったんホーン陣はすぐにブレイクするのだが、

この隙間を埋めるセシル・テイラーのピアノがカッコいい!!
ちょっとテンポをタメて、一気に鍵盤の高音部にかけ昇るピアノ。

なんだか、セシル・テイラーというピアニストが持っている底知れぬ不気味な「力」を感じてしまう瞬間だ。
演奏は、盛り上がったり、盛り下がったりと、不定形な「呼吸」を繰り返して、最後はとりとめもなく終わってしまうのだが、そこには巨大な「音の物語」が横たわる。

物語といっても、“おじいさんが山に芝刈りに行って、おばあさんは…”、といったような言葉の物語ではなく、セシル・テイラーのピアノの周りを取りまき、ひしめき合う「音の群像」が、大きくなったり、小さくなったり、気体になったり、液体になったりという、音が様々に変化してゆく様を目の当たりにしたような感蝕だ。
耳で聴いているはずなのに、音のカタマリと運動が、「見える」ような気がしてならず、なんだ!この音楽は!と、思ったのが、私の『コンキスタドール』体験。
このアルバムとの出会い以来、様々なインパクトを私に与え続けてくれるピアニストが、セシル・テイラーなのだ。

デビューから、既に半世紀。半世紀経っても、いまだ前衛であり続けている彼は、真の意味での巨匠だろう。
posted by 雲 at 17:16| Comment(0) | ジャズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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リマスタリングが施された『サキソフォン・コロッサス』を高級オーディオ装置で、リアルな音で楽しもうと思っているあなたは、是非、ベースの音にも注目(注耳?)してみてください。

特にのラストの《ブルー・セブン》。
この演奏はかなりオイシイです。

なにがオイシイのかというと、ベースの粘りのある音色が、とてもオイシイ。
ベースのソロで始まるイントロがとってもいかしてます。

ベーシストのダグ・ワトキンス。
彼のベースは重い。
よく「粘る」。
こういうベースって個人的には、すごく好きだ。
「後ノリ」ゆえに生まれる粘り。
この粘る女は、飯島直子、じゃなくて(NHK)、粘る音が、世紀の大名盤を根っこのところからガッチリと支えていたのですよ。

ダグ・ワトキンスは、ポール・チェンバースのイトコなのだそうで。
しかし、チェンバースのベースのノリに比べると、明らかにワトキンスのベースのグルーブには「粘り」と「重み」が感じられる。
リロイ・ヴィネガーのノリが彼に近いかな。

この「後に引っ張るような感じ」のグルーヴが、逆に、演奏をグイグイとプッシュする働きもあり、この快感に目覚めると結構病みつきになる。

もし、《ブルー・セブン》のイントロ部を聴き逃がしていた方や、《モリタート》を聴いてCDをストップさせてしまっていた方がいれば、是非、このリアルな音で再現された導入部にも耳を澄ましてみてください。

posted by 雲 at 17:13| Comment(0) | ジャズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする